ショートソング (枡野浩一)

野田地図の帰りにBook 1stへ。枡野浩一の「ショートソング」を購入したのだが、翌日読了。

ハーフの美男子なのに内気で、いまだチェリーボーイの大学生、克夫。憧れの先輩、舞子にデートに誘われたが、連れていかれたのはなんと短歌の会!?しかも舞子のそばには、メガネの似合うプレイボーイ、天才歌人の伊賀がいた。そして、彼らの騒々しい日々が始まった―。カフェの街、吉祥寺を舞台に、克夫と伊賀、2つの視点で描かれる青春ストーリー。人気歌人による初の長編小説。

スーパージャンプに掲載されていた同作品の漫画化「ショートソング」を読んで、短歌に興味を持ったため小説版も読むことに。内容として、なんていうかなんてことのないお話。克夫が短い間に成長していく姿がなんとも背中がかゆくなる話。本編のなかでは短歌がテーマになっているだけに、登場人物が様々な短歌を詠むのだが、これらはすべて実際に多くの歌人が書いた作品だったりするので、本編に溶け込んでいるだけでなく、それぞれが一つ一つの作品でとても興味深かった。

日本人だなーと実感するのは「五」と「七」で仕切られている言葉の羅列は自分が思っている以上に、自分に入り込みやすくなっているんだなという事実。また現代短歌は31文字の小説なんだなという気もした。これはケータイで流行るか?と思ったら、そもそもケータイ小説の企画モノだったり。

執筆した枡野浩一さんは歌人。公式サイトはオープニングで苦笑してみた。まあ、ずーっとクリックしなきゃいけないサイトはいかがなものかと思うけど。

短歌・・・・短歌ありだな!元々、詩人(笑)だったので、これはイケる!と心の中で何かがつぶやいています。近日短歌サイト・・・いや、サイトは立ち上げないだろ。

とか考えていたら、ふと昔書いた作品を思い出した。コピペ

空は奇麗な蒼い色でした

別れにしても、出会いにしても

それぞれのシーンには
色々な描写があって

大事な言葉や
その時の貴方の表情は
鮮明に覚えていても

それ以外は覚えていないものです

あの時は
空は奇麗な蒼い色でした

貴方の台詞は思い出せませんけど

「Sheep in the pot」より